デラシネのーと

けーごの雑記

【定期】15分小説 ひまわり

【ルール】

・制限時間は15分

・一文ごとに新しい設定を盛り込むこと

・特に書くネタがない日はこれをやること

 

 

ひまわり

僕の名前は「ヒュー君」という。風の子だからそういう名前なんだそうだ。僕がどこからやってきたのかを僕は知らないけれど、大人なら知っているかもしれない。

僕の現在の家はリビング九畳の「わんけー」というやつで、部屋の真ん中には大きなひまわりが生えている。普通のひまわりと違って、夏になると枯れるやつだ。中央に向かってしぼんでいき、最後に四角い実をつける。その実はルービックキューブにとても似ていて、そんな風に出来上がった立方体が重なり合い、部屋の中央に山を作っている。ひまわりはキク科だから、人の話を聞かない僕の家に生えてくるのは語呂的に収まりが良かった。

ある台風の日に、僕のところにも召集がかかった。この召集は定期的にかかるもので、僕が生まれた瞬間からすでにルールに組み込まれていたものだった。

この日だけ僕らは半透明になって、街中を自由に駆け回ることできる。とはいえ、別にその行動が本意というわけでは全くないのだった。まず僕は半透明になることが、他者に対して存在を薄れさせること自体が嫌いだったし、(それは僕が他人の目を気にしているということでもある、と先輩は言う。とても偉そうだ)街中を駆け回って当たり屋のようにふるまうことだってどことなく乱暴だ。

僕は召集に当たり、部屋に大量に積みあがってスペースを埋めていたルービックキューブの様なひまわりの実を持っていくことにした。そのために部屋は急にがらんとしたけど、それは何かとてもいいアイデアに思えた。半透明になる前の僕がどんな色をしていたか、カラフルなこの立方体が決めてくれるのだと思った。

これで一つ目の問題はだいたい解決したけれど、もう一つの問題は僕が街を駆け回ることで、住人に乱暴な粗忽者と思われかねないことだ。だから先輩たちの目線が僕の手元に集中したとき、僕は言った。「皆さん、ひまわりの実を配りますので、街を駆け回るのはやめませんか?今夜は大人しく家に帰り、ご自宅にこいつを埋めてみてはいかがでしょう」

「そいつはいい」

「ヒューが珍しく良いことを言った」

口々に先輩たちは僕の機転を褒めちぎった。しかし僕は鼻が高いという気分でもなく、ひっそりとぎこちない不安を抱えていた。急いで自宅に戻ると、ひまわりの根元の部分に寄り掛かるように僕の顔をした誰かが腰を落ち着けていて、「表札を確認した?」と、当たり前のようにそんなことを言う。ひまわりは時期も弁えずに咲き誇っていて、当分枯れる気配はなさそうだった。

 

 

【一晩寝てから書く解説】

ちょうど台風が来るという話だったので冒頭から何から、こんな感じになりました。あとリビング九畳の1Kはただの僕ん家の間取りですがひまわりは別に生えてません。

 

 

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フライングタイガーの起源が皮肉だった。企業名の由来 20連発

 アイロニーに彩られた「Tiger」の起源

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言わずと知れたスウェーデン雑貨店「flying tiger」ですが、実はロゴマークには小っちゃく「copenhagen(コペンハーゲン」が記載されていますね。

もともとこの店名は各国でバラバラだったそうで、オランダでは「flying tiger」、デンマークでは「TIGER」、ノルウェーでは「TGR」などで展開されていたのが2016年から世界的に「flyng tiger copenhagen」に統一されたのだとか。なっげぇ。

 

これで晴れて正式に「虎が飛んでるコペンハーゲン」に相成ったわけですが(英語ができない)実は事業が始まった当初の店名はZebraだったそう。え、捕食対象!

レナートさんはまず、奥さんと中古の傘を修理して売るという事業を始めました。その当時のお店の名前は Zebra(デンマーク語でシマウマという意味)です。 ある日、義理の妹に店番を任せて夏期休暇でお店を離れていたレナートさん。するとその義理の妹から電話があり「商品の料金がわからないんだけど・・」と聞かれ、レナートさんも品物がいくらなのか覚えていなかったそう笑 そこで、わかりやすいように全ての品物を「en 10’er(ティーア=1つ10クローネ)にしよう!」となり、その発音からお店の名前がTIGERデンマーク語でティーアと読みます)となって、今に至るそうです。Zebra(シマウマ)がTIGER(タイガー)の親というのが、なんともデンマークらしくてユニークだなぁと思います。

*1

 ほえー。必然っぽさは感じない論調ですが、こういうストレートなアイロニーと縁のある成り立ちというのはちょっとしみじみ感じ入ってしまいますね。

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 筆者も最近flyng tigerで携帯ホルダーを買いました。結局使ってない

 

さて、せっかくなので、色んな会社名の由来について調べてみました。

企業名の由来一覧というのはWikipediaにも載ってますし、こういうページもあるので上場してるような企業なら実は秒で調べられるんですが、今回は中でも興味深かったものを紹介。

 

アステラス製薬

「星」を意味するラテン語の「stella」、ギリシャ語の「aster、」英語の「stellar」によってaspired stars(大志の星)advanced stars(先進の星)を表現している。

意識高ッ

アディダス

創業者のアドルフ・ダスラーの愛称のアディにダスラーを付け加えたもの。

じゃあほぼニックネームですね

〇イオン

ラテン語で「永遠」「夢のある未来」という意味。ロゴマークの中心に描かれたエターナルリングは『人間性に基づく永遠の世界観と平和の概念、グループとしての一体感を象徴する輪』を表現している。

考えた奴と友達になれない自信がある

壱番屋

関西弁の「カレーハウス、ここ、イチバンや」からきている。

安定のIQ3

エステー

経営理念にある「社会に対する奉仕(SERVICE)と信頼(TRUST)を信条とし、製品については最高(SUPER TOP)を求める事」より、「S」と「T」の頭文字をとって「エステー」とした。また同社シンボルマークの「ひよこ」は、元気さ、さわやかさ、誠実さ、謙虚さ、そして常に上を向いて歩くという挑戦する姿勢を表している。

ひよこの重荷エグくね?

HMVジャパン

His Master’s Voiceの頭文字。主人を亡くした犬が、蓄音機に吹き込まれた主人の声を懐かしく聞き入った事を名前にした。

急に泣かせてくる

〇カルピス

「カル」はカルシウム、「ピス」は仏教で最上の味を表す「サルピス(サンスクリット語)」の造語。

カルとピスの間に学術レベルの差がありすぎるの、ここまでで一番アホだと思う

サッポロビール

1876年開設の「開拓使麦酒醸造所」が始まり。1964年に発祥の地名にちなんだ現在名となる。星のマークは北極星で、サッポロシャイニングスターと呼ばれている。

はしゃぐな

〇シャープ

創業商品エバー・レディ・シャープ・ペンシル『常備芯突鉛筆』からきている。つまりシャープとは「尖っている」の意味。

こう身も蓋もない言い方をされると目の付け所がシャープとは言いがたい

スターバックスコーヒージャパン

小説「白鯨」の航海士の名前スターバックから取っているが由来のひとつである。ロゴマークの中心に書かれているイラストは、ギリシャ神話の『人魚サイレン』である。

とても有名な由来だし、とても好きな由来

〇セコム

セキュリティ(Security)とコミュニケーション(Communication)の2つの言葉を組み合わせている。

すごく接しづらい印象があったのでなんか反省した

〇セメダイン

「セメント」と力の単位を示す「ダイン」の言葉を組み合わせている。もうひとつは、イギリスの接着剤「メンダイン」を日本市場から攻め出そうとする「攻め出せ、メンダイン」という創業者の造語を略したもの。

前半とても綺麗だったが後半で本音が漏れた

ソニー

SONY ラテン語で音を意味する「SONUS」(ソヌス)と、小さい、坊やを意味する「SONNY」(サニー)からきている。

つまり子供の泣き声とかはSONYなのである

〇DHC

現在は化粧品・健康食品の通信販売専門の会社だが、元々は委託翻訳業務の会社として創業した。「DHC」とは「大学翻訳センター」(Daigaku Honyaku Center)の頭文字をとった略称である。

えーーーーーーーーーーーーーー!!!!

ファンケル

「ファイン」(fine)と「ケミカル」(chemical)を合わせた造語。または「不安を蹴る」の語呂合わせ。
積極的にファンケルしていきたい

不二越

不二は、仏典で「善悪不二、邪正一如」あるいは「迷悟不二」というように、現象としては違うもの、反対に見えるものも、より高い次元に立ってその本質を深く見極めれば、もともと一つのものであることを意味する。越は、北陸の古い呼称「高志」を意味する。

知らん

マツダ

創業者名の松田重次郎のMATSUDAと馬車や牛車が発明された古代オリエント文明の叡智の神アフラ・マズダー(Ahura-Mazda)の二つの意味を持っている。

後半ほんとに必要かもっかい考えてみよう

〇ローソン

創業者のj.j.ローソンが経営していた牛乳屋の名称・ローソンによる。

ロゴも牛乳だもんね

〇ワコール

「江州」(現在の滋賀県)に和す」の意味で前身である和江商事が誕生している。その和江を『留める』という意味を込めてワコールとなった。

まさかの「和江留」、漢字表記

 

 いかがでしたでしょうか。「創業者の姓」っていう由来が(タイプニトリと呼ぶことにする)一番がっくし来るんですが、色々興味深いものもありました。

自分の勤める会社の由来がツッコミどころ満載だと、楽しいですね。

 

 

 

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ELLEGARDEN×ONE OK ROCK 8/15 ただの感想文

THE BOYS ARE BACK IN TOWN TOUR 2018

 

ELLEGARDEN×ONE OK ROCKTHE BOYS ARE BACK IN TOWN TOUR 2018】 行って参りました。

 

こういうのどこまで書いていいのか程度が分からないんですが、まずは初めて見るワンオクのライブが非常に良かった。引き込むなーどこまで引き込むんだろうと本編前に何やら危うい気分になりました。そりゃ知名度と売れ方を考えればパフォーマンスが伴ってないわきゃないんですが、会場中走り回るタカの姿と、間隙で語られた「エルレがどれだけ彼らのヒーローだったのか、どんな思いでツアーを回ってきたか」という熱い部分はやたらと尾を引いています。

 

その後、ELLEGARDEN登場。最初の曲は『Supernova』。

大学時代の親友から教えてもらって、今では日常の所々にBGMとして存在するようになった身近なバンド。ただし活動中に全く聴いてなかったので、これまで大きな意味ではすれ違ってきたバンドということになるのでしょうが、つまりそんな完璧に「伝説」ということになっていたバンドが、いきなり目の前にドカンと現れました。想像上の生き物が目の前に現れたようなあの興奮は、人生であと何回味わうんだろう。

 

どこが良かったとか、そういうのは、無いです。割と全部が奇跡みたいな時間だったので、ほんとに。

強いて言うなら個人的に、『スターフィッシュ』から『The Autumn Song』への流れ、終わり際に持ってきた『ジターバグ』のタイミング、そして大学時代に一瞬だけバンドみたいなことをやっててドラムを叩いた『Missing』には鳥肌が立ちましたが、思い起こせば鳥肌は立ちっぱなしだった気もします。終わるころには鳥肌のクセがついて素肌で大根おろせるくらいになってました。

 

最終日だったことを差し引いても、ZOZOマリンスタジアムという会場は最高だったように思います。

8月15日は風が穏やかで、気温も湿度も申し分なく快適でした。というか僕は当日まで何故だか屋内の気分でいたので、まだ明るい時間に会場に着いて、夕焼けが38000人の天頂に来ている光景に余計に現実感を奪われました。夜になると三日月が綺麗で、そういえば『月』もやったんですけど、本物の月はどこかに隠れている時間でした。

 

 

すでにTwitterでも話題になった通り、一度会場内に「静かにして」と言ってスタジアムの外にいる人たちにも声を掛けるなど、まぁ改めて、これがこのバンドなんだなぁと背筋の伸びる思いをたくさんした夜でした。

良く知ってるような気になってるだけで、バンドとしては初めましてだったわけで、きちんとELLEGARDENというバンドのファンになった日でもありました。

 

細美さんがとても気軽に「ただいま~」と言ったこと(間違っても僕は古参じゃないので、この言葉の本当の重みは実感できないのですが)、終戦記念日にかこつけて愛と平和を歌うのもミュージシャンの役割だと言って大合唱した『Make A Wish』、ドラムの高橋さんが「ライブ中、意識の10パーセントくらいは(ベースの高田さんを指して)キャプテン翼みたいな髪型だなってことを考えてました」と言ったこと、結局今年の夏一番しっかりと見れたラストの打ち上げ花火にいたるまで、鮮明に焼き付きました。

スタンド席だったんですが、落ち着いて感じ入るように観覧ができたのはそれはそれで非常に良かった。とはいえ間違いなく人生で最も汗をかいたスタンド席だったと思います(暫定)。

悲しいかな、「カメラいっぱいあるけどDVDとかは出ないから(笑)」と明言されてしまいました。出ないんだ…マジか…。つくづく採算度外視ということで、かっこいいけど普通にもっかい見たかった。

 

 

 今後、本格的に活動が再開して、新曲をリリースして何本もツアーを回るのか、それともまた一段落して進退を考えるのか。そこは明言されず、終わってみればどちらもあり得るような気がします。

 

「ひとまずこのライブが終われば酒を飲みまくって、二日酔い三日酔いが覚めたあと、今日という日が何だったのかは、そこでみんなで話し合う」というようなことを言っていました。

願わくば、もちろん願わくば、今後あれを越えるライブに出会いたいと思います。今日はここまで。

 

 

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電車で音楽を流さない5つの理由が、割とどうにでもなる件

電車で音楽をかけない理由

 

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いきなりですが、これなんでですか?

 

音楽がかかっている車両ってあっても良くない?ヒーリングミュージック的なやつか、ジャズ&ボサノバみたいなの。長く抱き続けてきた疑問のひとつがこいつです。なんで?なんで音楽かけないの?かけない理由なんか思い付きます?

 

というわけで、色んな友達に「なんでだと思う?」と訊きまくってみました。

 

1.いや、寝る人の迷惑になるからでしょ。

 

はい、来ました。まず第一に出てくるよね、「寝る人の迷惑」。たしかにそうですね。ただでさえガタゴトと揺れる車内、音楽なんかかけた日にゃあ安眠妨害の誹りは免れません。

しかし聞いてくれマイフレンド、電車はそもそも、別に寝るとこじゃねぇだろ。

その電車が寝台特急なら話は変わってきますよ。利用者の目的に睡眠が入ってきますからね。

しかし通常の電車はただただ交通機関のひとつであって、その目的は長距離移動。鉄道会社にとってはダイヤ通りに運行することこそが至上命題、静かな環境を提供するなんてサービスを行う義理はないわけです。

 

分かります、もちろん分かりますよ。「だったら別に音楽をかける義理もないだろ」って意見もありますよね。しかし考えてみてください。

「電車の中では静かにしなくてはならない」というあの暗黙のルール、「マナー」とかいう可視化されてすらいないクソみたいな条文のせいで、一体どれだけのママさんが周囲に謝りながら子供をあやす羽目になってるんでしょうか。いったいどれだけの人間がコミュニケーションを諦めているんでしょうか。

別に僕は、強引に「電車でスピーカーで音楽聞きたい」って言ってるわけじゃないんです。多くのクレームがそうであるように、一部の口うるさい人に配慮するあまり、過度に静かにしなきゃと考えている人がいる状況なら、それを変えたいわけです。

だから軽く音楽でも流しとけば、その変な伝統もくずれませんか?

「赤ちゃん泣いとるで、静かにさせんと」

「いや静かにしたところで音楽かかってるし、別にかまへんやん」

くらいのテンションに持っていければいいですよね。

 

…というかさ。金曜の夜やら、始発の電車内見てれば分かりませんかね?

マジで眠い奴はどんな環境でも口開けて爆睡します。

(大抵は酔っ払いかオール明けの人ですが)多少うるさくしたところで、寝るやつは寝るんです。そして寝れないやつは寝なくていいんです。少なくともユーザーの睡眠不足まで鉄道会社が責任を負う必要はないと思います。

 

2.音楽の趣味はひとぞれぞれだし、嫌いな音楽流されたら不快でしょ。

 

笑  わ  せ  る  ぜ  。

音楽の趣味は人それぞれ?そうでしょうね。でもね別に小生、パンクロックをかけろって言ってるわけでも、ゴリゴリのEDMをかけてアゲてこうぜって言ってるわけでも、劇団四季ライオンキングのミュージカルサントラを流せって言ってるわけでもないでござるよ。

 

サークル・オブ・ライフ

サークル・オブ・ライフ

  • provided courtesy of iTunes

 

つまり僕、カフェで音楽がかかっているのに電車でかかってない理由が分からないんですよ。ああいうカフェみたいな、「リラックスできるか否か」がUX向上に繋がっている環境で実際に流している音楽があるってことは、万人受けする(あるいは誰にとっても耳障りでない)音楽ってのは「ある」わけですよね?

ほんならカフェで流れてるみたいなゆったり目のジャズ流しとったらええやん。誰に迷惑やねん(怒りのあまり関西の血が混ざり始める)。アホか。

 

3.携帯電話で喋る人が出てくるんじゃない?

 

いや、良くない?だから。

確かにベラベラと大声で長電話を続ける人はちょっとどうかと思いますけど、それだって音楽かけとけばむしろ気にならなくなるんじゃないですか?常識自体が変われば、行為の意味だって変わりますよ。そして一番手っ取り早く常識を変えることが出来るのは、サービスを提供する側です。

 

というかね。これマジで聞いてほしい。電車の中で、わざわざそれをアナウンスするでしょ。携帯電話の注意喚起。「寝ている方のご迷惑になりますので、携帯電話の使用はお控えください」みたいなこと言うじゃないですか。

いや、なんなら全車両にスピーカーで流してるその注意喚起の方が絶対音量デカいじゃん。

 あれはノーカンなの!?人が通話してる時の声の大きさなんかたかが知れてますよ。それを超えてくる音量で「寝てる方のご迷惑になりますよおおおおおおおお!!!!」って注意してるとこあるよね?ギャグじゃん。コントじゃん。

 

そもそもあの携帯使用不可のルールだって、最初はただのクレームから始まったと思うんです。 いつだって社会では不満の声の方が目立ちますから、「静かにさせろ!」って誰かが言ったことにより携帯もマナー違反になり、「あ、電車って喋るの駄目なんだ」的な風潮が広まり、静寂のストレスフルな空間が出来上がったんじゃないですかね。

海外の電車見てください、アカペラのライブが勃発してますよ。

 

youtu.be

 

 

4.どうしても流れてる音楽が嫌な人は?

 

イヤホン…すれば?

てかもう、見渡せばだいたいみんなイヤホンしてるじゃんか。あるいは喧騒から逃れるために、あるいはルーチンワークとして、イヤホン、してますやん。常備品ですやん。じゃあそんなんもう、外界で些細な音楽がなっててもええですやん。何が問題ですのん。

 

5.読書に没頭したい人の迷惑じゃない?

 

これはね、僕も電車で読書する派なので、気持ちはよく分かります。だからいきなり大文字で喝は入れられないんですが、1と2でも言ったように、そもそも読書するのは電車ユーザーの勝手な行動選択ですし、ゆったり系の音楽流れてるカフェでもよく本読んでる方いるじゃないですか。多少のムーディーなBGMは意に介さず読書できるんじゃないでしょうか。

電車内の話し声に対しての規制(風潮)って絶対厳しすぎるんですよ。皆さん本を読みに来てるわけじゃないので、図書館ほど正統性があるとは思えません。

 

 

皆さん中学校とか高校の、休み時間の教室思い出してください。読書好きは読書して、喋りたい奴はしゃべって、寝てる奴は寝てませんでしたか?僕はあの健全極まっていたカオティックな空気を、電車にも導入したいんです。

 

 

 

最終的にはこんなんも出てこないかなーと思っているんですが。

というか鉄道なんか民間なんだから株主総会かなんかで音楽かけるってなったらそうなるんじゃないの?ほんと、クレームとかやめましょ、みんなでハッピーにいきましょうよ。今日はなんとなくそんな話でした。

 

 

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保冷剤と熱帯夜 ~ペコちゃんはこの歳になってよく見るとちょっと怖い~

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気になること(問題提起)

20年来の自分の悩みとして、「問題解決能力の低さ」があります。結構致命的なエラーという気もするのですが、どうもこれは行動力の低さが遠因にあって、例えば顔色を窺いすぎるあまり気になっていたことを訊けなかったりとか、ダメージを負うことを避けるあまり虎穴に入れないという、分かりやすい臆病さが関係しているようです。そう、僕は繊細な人間なんです。

もちろんこんな風に鳥瞰できているのだし、なるだけそういった性格に歯止めをかけようと邁進する日々なのですが、この前その行動力を少しだけ試される場面がありました。

 

自宅の最寄り駅(と言っても徒歩10分くらいかかりますが)に接続する形でほど良いサイズ感のショッピングモールが構えられているのですが、その一階に不二家があります。

言わずと知れたケーキのお店で、あのペコちゃんとかいう年齢不詳の舌出しマスコットが目印不二家です。駅から出た帰路につく人々を甘い香りで誘惑し絡めとってしまおうという魂胆しか感じられない店構えとなっており、「どれ、カミさんと娘のご機嫌取りに甘いもんでも買ってくか」とばかりに、家庭内の不和の要因が自分のうだつの上がらなさであることに気付いていないサラリーマン達がしばしばお店に吸い込まれていきます(偏見)。

 

さて、先日まさにその毒牙にかかってしまい、あれよあれよという間に横開きの自動ドアを潜った際、店員さんに気になることを言われました。

 僕がその日売れ行きの悪かったらしい王道のショートケーキを判官びいき精神で購入すると、店員のおねーさんは持ち歩き用の箱を組み立てながら僕にこう尋ねました。

 

 

「お持ち歩きのお時間はどれくらいでしょうか?」

 

 

ん~?

 

この質問が妙に引っかかりました。いや、スイーツを買った際には大抵くっついてくる質問ですし、聞くのも初めてではありません。一体何を訝しむことがあるのかという疑問はもっともなのですが。

 

ただこれ、「訊いてどうすんの?」って思っちゃったんですよね。

 

いや、こんなことを書くと、「ハイハイ揚げ足取りね、じゃあてめぇは一生事務連絡だけしながら一切誰とも血の通ったコミュニケーションを取らずに寂しく朽ちていけ」と思われそうなので早めに弁明しておくと、訊いてどうすんのというのは皮肉でもなんでもなく「実際に持ち歩きの時間によって処置がどう変わるの?」ってことです。

つまり、保冷材の量が変わるとか。だとしたらいくつの保冷材で気温何℃に対してどれくらいの時間持つのかとか、マニュアルがきちんとしてるということですよね。そんな決まりがあるならぜひ知っておきたいと思ったんです。自分が保冷剤を使う時の参考にもなりますし。

それにもしかしたら、「2時間持ち歩きます!」とかいうスペシャルなオーダー専用のめちゃめちゃイカツイ保冷剤が準備されてる可能性だってあります。ゴリゴリのドライアイスみたいなやつ。

 

しかしここからが僕のチキンなところで、それを尋ねようとした矢先に後ろから別のお客さんが入店。営業妨害になるのもマズいと必要以上にビビった僕はあえなくそのまま退店し、モヤモヤが晴れないままとなった八つ当たりとして店先に置いてある1mサイズくらいのペコちゃん人形を蹴りあげてその場を跡にしました(さすがに嘘)。こうして、自分の問題解決能力の低さを痛感する冒頭の運びとなったワケです。ただいま。

 

保冷剤と熱帯夜(解決編)

さて、そんなわけで、前述のようにこの性格と決別するため、僕は翌日行動を起こしました。早い話が、二日連続で不二家に足を運んだということです。

店先で僕を出迎えたペコちゃんは「チキン野郎がまた来やがったぜ」とばかりの面差しをこちらに向け(主観)、あまつさえ舌を出して僕を嘲弄していました(主観)

あんまり大人をコケにするなよ小娘(主観)

ただまぁ入店してから「しまった」と思ったのは、店員さんが昨日と同じ人で、この人に関しては冗談じゃなく「二日続けて来やがった…ケーキが大好きな成人男性だ」という表情筋の向こう側の感情が読み取れてしまったことです(客観)。

うっせぇな悪いかよ。

ところで、一般に言われる「ケーキ屋さん」とはこの女性店員個人を指すのか、それとも不二家という大きなグループの枠組みを指すのか、この女性はケーキ屋さんの店員なのかそれともケーキ屋さんなのか、そんなことも少し気になったのですが、それはさておき本題です。僕はベイクドチーズケーキを注文し、飛んできた「お持ち歩きのお時間は?」に対して返す刀どころかむしろ食い気味に、気になっていたことを質問しました。質問に質問を返す日本人離れした無礼者と店員さんのやりとりが以下です↓

 

 

無礼者「あの、質問いいですか?変なこと訊くかもしれないんですけど」

 

店員さん「はい、なんでしょう!(はじける笑顔)」

 

(無礼者、一度ここで死にかける)

 

無礼者「……その、『お持ち歩きのお時間』って訊くじゃないですか。僕は自宅まで10分くらいなんでそれくらいって答えるんですけど。仮に、仮にですよ。例えば『今から沖縄に行きます』とか、『10時間は持ち歩きますね』みたいな大物が現れた時って、その、どういった処置になるんでしょうか?保冷剤増やすんですかね?」

 

店員さん「はい。保冷剤は、基本的に15分のお持ち歩きで1つという形で入れさせて頂いてますね。なので、かかるお時間分保冷剤を多く入れることになります。かなり遠方に行かれるということだと…その、痛んでしまうかもという風に言うかもしれないんですけど」

 

無礼者「あー…そうですよねー、となるとその、何か長時間持ち歩き用の特別な保冷剤が出てきたり~みたいなことは…」

 

店員さん「無いですね~…(苦笑)」

 

無礼者「…なるほど。大変よくわかりました、あ、変なこと訊いてスミマセン」

 

店員さん「いえ、興味を持っていただいて光栄です!こちら、保冷剤1つ追加しておきますね(笑顔)

 

 

 

行動力」とは人に迷惑をかけることでは断じてないし、「問題解決」とは別の誰かに憂鬱をバトンタッチする行為でもない。そして店員さんのご厚意を穿つことなく純度100%だと信じ切れるほど僕は純粋でもいられなかった。

現実ってやつは平凡で厳しいし、店員さんの営業スマイルは実に身に染みる。

徒労に終わった無礼な問答、人を困らせてはいけないという当然以下の社会規範…自責の念と無力感。色々なものに苛まれ、僕はチーズケーキの箱だけは振り回さないように注意しながら、走って帰った。

熱帯夜だった。

 

 

 

 

(なんだこれ)

 

 

 

 

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実写映画『BLEACH』を観るべき理由はMIYAVIの鼻の穴だけではない

BLEACH」/昨今の実写化事情

「漫画の実写映画化」に向けられる世間の白い眼はすでに説明不要のことと思います。

話題性のみを足掛かりとしたような数々の駄作が、さほど長くもない歴史の中に埋もれてきました。例えば進撃の巨人なんかも早々に実写映画化されていましたが、皆さんすでにお忘れのことだったのではないでしょうか。

コンテンツ供給過多のこの時代、そういった種種の兵どもが夢のあとには墓標に名前すらも刻まれない始末です。

そんな中、いま件の実写映画化最前線を突っ走っている話題作BLEACHを観てまいりました。シナリオ的なところについては多くまとめられてる所も多いでしょうし、今回は各キャラクターというか俳優についてのただの個人的な品評となっております。

 

福士蒼汰/黒崎一護/ビジュアルについて

主人公・黒崎一護を演じた福士蒼汰については、やっぱりビジュアル的な面が気になりました。彼はちょっと前に私服のダサさがあげつらわれていたけれど、今回の映画には白地に青のボーダーで街を駆けずり回るシーンがあって、なんとなくその片鱗も垣間見えました(いや私服じゃないだろうけど)。

そんな姿が見れるだけでも実写版BLEACHに一見の価値はあると思うのですが、BLEACHで服と言えば何より死神化したときの「死覇装」ですよね。激しい戦闘をこなしていく中で僕の眼は捉えてしまったのですが、ひらりと翻ったあの袴の下には意外に長いソックスを履いてるようです(どうでもいい)。あと着物に類する和服って、肩幅の無さをどうしても際立たせてしまうところがあって、ちょっと彼はシュッとし過ぎているような。線が細くてちょっとなんかこう、カーディガンみたいなものを一枚肩にかけてあげたくなりました。

 それから、一護を表現するにあたって髪色がオレンジであることは割と高いレベルで求められる制約かと思ってたのですが、印象はオレンジというよりかは明るめの茶髪という感じでした。カツラではなさそうだったから、やっぱブリーチしたんだろうななんてことを思っていました。絶対一回は言ったと思うんだよね、そういうギャグを。

最後に、これは褒めてるんですが、後ろから光が当たって陰になった時の彼の横顔を見て、のどぼとけが不安になるくらい出てて、めっちゃカッコイイなと。彼ののどぼとけを富士山だとした場合、僕ののどぼとけはそうですねー、校庭とかですかね。ですからまぁ、そういう突起フェチの方はぜひ劇場でご確認ください。

 

吉沢亮/石田雨竜/映画の今後について

シナリオについてちょっとだけ話すと、原作の細かい道具や設定の説明は飛ばしていく寸法みたいだったけど、だいたいストーリーは追えてた気がします。で、最後には死神代行編のテロップがでました。つまり明らかに続編を臭わせてしかいない終わり方。採算の取れそうにない映画で続編を期待させるやり方は冒険心があって嫌いではないけど、少しばかり軽装で冒険し過ぎな気も。そんな装備で大丈夫か?

個人的にはBLEACHという漫画は吹き出し付きの画集だと思っているのでストーリーは割とどうでも良いのですが、原作BLEACHの沿革をたどると、大雑把に言えば

  1. 死神代行編
  2. 朽木ルキア奪還編
  3. 十刃編
  4. フルブリング編
  5. 千年血戦編

そして人類の9割が十刃編以降の展開を知らないというスコアでしょうか。人類の5割がワンピースの空島編以降を知らないように。

もし次を製作するとなるとルキア奪還編になるわけですが、もし製作陣が次回作の終わらせ方を間違えると日本映画史に残る大爆死を目撃できるかもしれません。愛染、市丸ギン、ウルキオラと人気キャラ目白押し、ここから先はさらにキャスティングへの風当たりがシビアな世界に足を踏み入れることにもなりますから、これはややこしいぞ。実写映画化におけるリスク管理の常套手段にしてリーサルウェポン、不可能と言われた「二次元のファンをこちらの次元に引き戻す」すらやってのける顔面ポテンシャルの持ち主、ご存知顔面国宝・吉沢亮というカードは既に石田雨竜という役に対して切られております。どうすんだ。今後吉沢亮は一人何役こなさなければならなくなるのでしょう。猫の擬人化やってる場合じゃないぞ。

そういえばこの映画、斬魄刀は実物を振り回していたのだけど、石田雨竜の弓矢に関してはフルCG。作品全体を通して、主に戦闘描写に用いられたCGやらVFXは、1年半という時間をかけていただけあり、相当なものでした(唐突に褒めとく)。あ、GANTZと同じ監督なんですね、どうりで。

MIYAVI/朽木白夜/鼻の穴について

映画の主題歌・挿入歌は[ALEXANDROS]の『Mosquito Bite』。…おいMIYAVI楽曲提供してねーのかよ。何しに来た。

Mosquito Bite

Mosquito Bite

  • [Alexandros]
  • ロック
  • ¥250
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さて、突然ですがMIYAVIの鼻の穴についてはどうしても触れておかねばなりません。

あの朽木白夜をギタリスト・MIYAVIが演じるという色々ツッコミどころのある采配ではあったけれど、最終的に残る彼の印象は演技力の拙さでも声の小ささでもなく、「鼻の穴」です。いや、映画全体を通して、見終わった後に残る印象そのものが「鼻の穴」であると言っても過言ではないし、さらに言うなら映画のテーマが「鼻の穴」であるというのは正鵠を射た表現だと思うし、ぶっちゃけタイトルがBLEACH~死神代行編~ではなくMIYAVI~鼻の穴編~だったところでさほどの誤解は与えないでしょう。タイトル変更しても興行収入的に大して変わらないかもしれません。こればかりは観た者にしか伝わらないのかな~、だとしたら絶対に観てほしいのだけど。一晩きちんと寝た後で反芻するに、スクリーンの八割がMIYAVIの鼻の穴に覆われていたシーンを想起できるほどです(体感)。芝居のこととか、発声練習はちゃんとしていたのだろうかとか、そんなことどうでもよくなるくらいのもので、虚(ホロウ)の胸に空いてる孔よりも完全にそっちの穴が重要ごとに思えました。

あれだけのインパクトを残した以上、映画を観た人々によって検索ワード「MIYAVI 鼻の穴」が増えるのは道理ということで、SEO的にもタイトルに入れさせて頂く運びとなったことをご容赦願います。

まとめ

しかし今回筆者がMVPをあげたいのはそんなMIYAVIではなく、色々問題ありなキャスティングと不安の残る演技の中で、一人だけ完璧に原作に寄せた(初期のワイルドで戦闘狂っぽさのある)阿散井恋次を演じてのけた早乙女太一・・・でもありません(ごめん)。いや、彼の演技がアクションも含めて作品の根幹となっていることは間違いないのですが、それにも増して感心してしまったのは一護の父・黒崎一心役の江口洋介

映画を観る前は、一緒に観に行った同僚たちともども「全然一心に寄せる気ねー!wwww」みたいなことで騒いでたんですが、今となっては彼がいなかったらこの作品はどこまで方向性を見失って飛んで行ってたのか想像もつきません。まさに凧揚げのタコ糸。現実離れと原作離れを同時に起こしている浮足立った実写化が完全にドラマ性を失わないよう、彼の演技が冷水となって全体をキュッと引き締めてくれているのです。

やっぱ演技って大事!!江口洋介出演作は『ひとつ屋根の下』から見直そうと思った、そんな映画でした。色々書きましたが、やっぱり観に行った映画なので、ちょっとでも興味は持ってもらえたらなと思います。以上です。

 

 

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大好きな小説の映画化とコンビニの店先の治安

『マチネの終わりに』はぜひ小説で 

大人の小説が、大人なキャスティングで映画化されるという話です。

 

マチネの終わりに』は芥川賞作家・平野啓一郎さんの著書で、天才ギタリストとジャーナリストの大人な恋を描いた感じなのだけど、ついに映画化が発表されました。

主演が福山雅治石田ゆり子おっと、大人だぁ…。ガリレオ』シリーズでもおなじみの西谷弘を監督に迎え、公開は2019年秋とのこと。

 

www.fashion-press.net

 

そもそも平野さんの著書は他に読んだことがなくて、ことさら趣味においては外堀から埋めていきたいタイプの僕は手に取るときも少し戸惑ったのですが(そのせいで最新作を読めていない作家さんもたくさんいる)、ジャケットに引きこまれる形で購入。一作で判断するのは実に問題なのですが、精緻で綺麗な文章を書く人でした。

 

映画を観る前にぜひ、これは小説という形でチェックしてほしいです。内容はそりゃ読んでくださいというのが一番なのですが、読後感の良さというか、佳さというか、世さというか、余さというか、ありもしない同音異義表現を捏造したいくらいには名状しがたい味わい深さがあります。

例えるなら芳醇なダークラムで割られたホット・バタード・ラムの様で、力強い酒気と風味にいつまでも口内で躍らせていたくなる余韻があるのです。…ちょっとでも分かっていただけましたでしょうか。もし「あーなんとなく伝わった」という方がいましたら、お身体が非常に心配です。大丈夫ですか?

マチネの終わりに

マチネの終わりに

 

 

 

セブンの生ビールサーバー「ちょい生」サービス中止

期せずしてお酒の話になったので、この話。

セブンカフェ同様にセブン店内のサーバーで100~200円で生ビールが楽しめるという触れ込みだったセブンイレブンのチョイ飲みが、サービス見送りとなりましたね。なんか治安とか、そこら辺の懸念があったみたいですが…真意はまだ分かりません。残念というかなんというか、しかし僕個人としては実はやめといた方が良いと思ってたんですが。

 

そういえば何年か前にミニストップが展開したチョイ飲みできるコンビニ「cisca」というのがありましたが、アレはどうなんでしょう。不評という話も店舗が増えたという話も聞かないのですが、「女性も」「オシャレに」というコンセプトにしぼってシェアを広げずにぬるりと攻める方針で、これはこれで成功モデルなのでしょうか。今度行ってみよう。

www.nomooo.jp

 

そもそもコンビニの店先が嫌い


やっぱりコンビニの店先ってね。ホラ、昔から暇人の聖地みたいなとこあるじゃないですか。田舎で学生が円形に会議するためのスポットだったり。

 

大学時代にちょっと嫌な思い出があって、僕が大学生活を送っていた町もまぁ大学が無ければ地図にも乗るか怪しいくらいの田舎ではあったんですが、後輩2人と一緒にセブンに買い物に行きまして。買い物と言っても大学の周りに3つくらいしかないコンビニの1つ、勝手知ったるどころじゃなくほとんど生活スペースの一部みたいな店だったんですが、その日はやたらと店の前に人がいました。

 

  • 初期のサトシがモンスターボールを投げるときにする帽子の被り方(WANIMAの被り方)をしてる
  • 金色のネックレスをしてる
  • 白い長袖のスウェットで肩から手首にかけて英語でなんか書いてある
  • Twitterのヘッダー画像は全員間違いなく車

 

という感じの人たちでした。テンプレートとして、円形になって会議中です。そんな人々を意識するでもなく目の端に捉えながらセブンに入ろうとしたところ、うっかりバランスを崩して、停めてあった車の後部のウイング部分に肩をぶつけてしまったんですよね。

 

ガツンッ。

 

延々会議してれば良かったのに、6人くらいの円人類(仮称)が全員こっちを向きました。車はどうやら彼らの持ち物だったらしいのです。6人いるので、僕のぶつかった車が誰のヘッダー画像になってるのかは分かりかねますが。

後輩は「ちょっと!!!」みたいにやたらと騒ぎ立てるし、なんでそんな取り返しのつかないことをしでかしたみたいな感じの空気にするんだ、わざわざ。お前は味方だろう。

円人類は数舜、仲間内で何かを促すように視線を交わした後、一人が「・・・おい、気を付けろよ」みたいなことを言いました。僕の返答は確か「すいませぇーん、はは」だったと思います(ぶつかったのは完全に僕が悪いです)。そのまましずしずとセブンに入店し、買い物を済ませました。ただその間、なんとなくお店の外から視線を感じてましたし、「お前よく許したな。俺ならやっちまうわー」的な発言も聞こえた気がします。うん、なるほどなるほど。

用を済ませてお店を出ると、先までの活気はなくなっていて、人っ子一人いません。まさしく門前雀羅、連中はもう車に乗り込んだようです。会議は終わったのでしょうか。だとしたら議論はどういう顛末を辿ったのでしょうか。少し気になりましたが、ひとまず後輩と並んで目的地に向かいます。

確か僕らは、宅飲みの会場に向かってたと思うのですが・・・さてそんな道中、後ろから車のエンジン音が威嚇的に響いてくるわけです。後輩たちは瞬時に何かを察したようでしたが、あいにく僕は世間知らずで、意趣返しなんてフィクションの産物だと思って育ってきましたから、先ほど僕が肩をぶつけた車(車高はほぼゼロで、ポッキーも挟めないレベル)が僕の横に停められるまでずっとヘラヘラしてました。

ガラの悪いタクシーを止めたみたいな状況になり、もうビックリ。助手席と運転席にはさっき見た円人類の顔があります。やがてゆっくりと窓が開き、交わされたのはこんな会話でした。

 

車「おい」

 

僕「…はい」

 

車「お前…お前、酔ってんのか?」

 

僕「え? えーと、まぁ、少し」

(酔ってないがお酒のせいにしようとした。姑息)

 

車「…」

 

僕「…」

 

車「次やったらぶっ殺すからな!」

 

 

Tsugi Yattara-Bukkorosu Karana?????

 

 

この時知ったのですが、どんな文脈であれ、20歳越えて他人の口から出る「ブッコロス」を聞くと、驚きとか怯えよりも先に「合ってないな」という感じがするのですね。オーバーサイズ過ぎる服を着てる人を見た時の様に、世界に通底してる何らかの縮尺とズレた現象という感じがして、いわゆる「ダサさ」の正体ってこの不和なのかなと思いました。

ちなみに連中がその言葉を残して去ると、後続の車がやってきて(それも同じ円人類のメンバー)「アイツらに何か言われた?ごめんな、アイツら馬鹿だから・・・」とのこと。一枚岩じゃないのか。仲間内でここまで人格に開きがあることに驚きつつ、僕はコンビニの店先という場所がちょっとだけ苦手になったのでした。

 

 

そんな思い出から、コンビニでチョイ飲みってのは考え物です。全国に20000件前後存在する上に大通りにも面しまくってる化け物フランチャイズ店に、あの居酒屋の喧噪を輸入してどーすんだと。お酒は二十歳になってから、はいわずもがなですが、奥まった静かな席でしっぽりと楽しみたいものです。

まぁ僕全然お酒飲めないんですが。