実写映画『BLEACH』を観るべき理由はMIYAVIの鼻の穴だけではない
「BLEACH」/昨今の実写化事情
「漫画の実写映画化」に向けられる世間の白い眼はすでに説明不要のことと思います。
話題性のみを足掛かりとしたような数々の駄作が、さほど長くもない歴史の中に埋もれてきました。例えば進撃の巨人なんかも早々に実写映画化されていましたが、皆さんすでにお忘れのことだったのではないでしょうか。
コンテンツ供給過多のこの時代、そういった種種の兵どもが夢のあとには墓標に名前すらも刻まれない始末です。
\🔥追加舞台挨拶 決定/
— 映画『BLEACH』公式 (@bleach_moviejp) 2018年7月13日
7/21(土)に開催される キャスト・監督登壇 公開記念舞台挨拶の追加が決定しました👏✨
チケットの一般発売は、
明日7/14(土)10:00~です🎫❗
実施劇場などの詳細は👉https://t.co/FzTfBpPV3P#映画ブリーチ pic.twitter.com/PjEl05qCcW
そんな中、いま件の実写映画化最前線を突っ走っている話題作BLEACHを観てまいりました。シナリオ的なところについては多くまとめられてる所も多いでしょうし、今回は各キャラクターというか俳優についてのただの個人的な品評となっております。
福士蒼汰/黒崎一護/ビジュアルについて
🔥 TV出演情報📺 🔥
— 映画『BLEACH』公式 (@bleach_moviejp) 2018年7月11日
⏰ 7/12(木) 11:55~
📺#日本テレビ「#ヒルナンデス!」#福士蒼汰 さんが出演⚔❗
要チェック🔥
※内容は予告なく変更となる場合がございます。 pic.twitter.com/dqKsOXJy9H
主人公・黒崎一護を演じた福士蒼汰については、やっぱりビジュアル的な面が気になりました。彼はちょっと前に私服のダサさがあげつらわれていたけれど、今回の映画には白地に青のボーダーで街を駆けずり回るシーンがあって、なんとなくその片鱗も垣間見えました(いや私服じゃないだろうけど)。
そんな姿が見れるだけでも実写版BLEACHに一見の価値はあると思うのですが、BLEACHで服と言えば何より死神化したときの「死覇装」ですよね。激しい戦闘をこなしていく中で僕の眼は捉えてしまったのですが、ひらりと翻ったあの袴の下には意外に長いソックスを履いてるようです(どうでもいい)。あと着物に類する和服って、肩幅の無さをどうしても際立たせてしまうところがあって、ちょっと彼はシュッとし過ぎているような。線が細くてちょっとなんかこう、カーディガンみたいなものを一枚肩にかけてあげたくなりました。
それから、一護を表現するにあたって髪色がオレンジであることは割と高いレベルで求められる制約かと思ってたのですが、印象はオレンジというよりかは明るめの茶髪という感じでした。カツラではなさそうだったから、やっぱブリーチしたんだろうななんてことを思っていました。絶対一回は言ったと思うんだよね、そういうギャグを。
最後に、これは褒めてるんですが、後ろから光が当たって陰になった時の彼の横顔を見て、のどぼとけが不安になるくらい出てて、めっちゃカッコイイなと。彼ののどぼとけを富士山だとした場合、僕ののどぼとけはそうですねー、校庭とかですかね。ですからまぁ、そういう突起フェチの方はぜひ劇場でご確認ください。
吉沢亮/石田雨竜/映画の今後について
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— 映画『BLEACH』公式 (@bleach_moviejp) 2018年3月8日
石田雨竜役に吉沢亮❗
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黒崎一護のクラスメイトにして、死神に対抗する“滅却師(クインシー)”という種族の生き残り、石田雨竜(いしだうりゅう)役に、#吉沢亮 さんが決定❗ 弓状の武器🏹を持ち、鋭い眼光の先にあるものとは…👀⁉
🔥映画『#BLEACH』7.20公開❗ #映画ブリーチ pic.twitter.com/UFCsB0yJZB
シナリオについてちょっとだけ話すと、原作の細かい道具や設定の説明は飛ばしていく寸法みたいだったけど、だいたいストーリーは追えてた気がします。で、最後には死神代行編のテロップがでました。つまり明らかに続編を臭わせてしかいない終わり方。採算の取れそうにない映画で続編を期待させるやり方は冒険心があって嫌いではないけど、少しばかり軽装で冒険し過ぎな気も。そんな装備で大丈夫か?
個人的にはBLEACHという漫画は吹き出し付きの画集だと思っているのでストーリーは割とどうでも良いのですが、原作BLEACHの沿革をたどると、大雑把に言えば
- 死神代行編
- 朽木ルキア奪還編
- 十刃編
- フルブリング編
- 千年血戦編
そして人類の9割が十刃編以降の展開を知らないというスコアでしょうか。人類の5割がワンピースの空島編以降を知らないように。
もし次を製作するとなるとルキア奪還編になるわけですが、もし製作陣が次回作の終わらせ方を間違えると日本映画史に残る大爆死を目撃できるかもしれません。愛染、市丸ギン、ウルキオラと人気キャラ目白押し、ここから先はさらにキャスティングへの風当たりがシビアな世界に足を踏み入れることにもなりますから、これはややこしいぞ。実写映画化におけるリスク管理の常套手段にしてリーサルウェポン、不可能と言われた「二次元のファンをこちらの次元に引き戻す」すらやってのける顔面ポテンシャルの持ち主、ご存知顔面国宝・吉沢亮というカードは既に石田雨竜という役に対して切られております。どうすんだ。今後吉沢亮は一人何役こなさなければならなくなるのでしょう。猫の擬人化やってる場合じゃないぞ。
そういえばこの映画、斬魄刀は実物を振り回していたのだけど、石田雨竜の弓矢に関してはフルCG。作品全体を通して、主に戦闘描写に用いられたCGやらVFXは、1年半という時間をかけていただけあり、相当なものでした(唐突に褒めとく)。あ、GANTZと同じ監督なんですね、どうりで。
MIYAVI/朽木白夜/鼻の穴について
☠
— 映画『BLEACH』公式 (@bleach_moviejp) 2018年7月12日
朽木白哉――
どこまでも冷徹で残酷なほど強い#映画ブリーチ pic.twitter.com/VUfAgsgF3B
映画の主題歌・挿入歌は[ALEXANDROS]の『Mosquito Bite』。…おいMIYAVI楽曲提供してねーのかよ。何しに来た。
さて、突然ですがMIYAVIの鼻の穴についてはどうしても触れておかねばなりません。
あの朽木白夜をギタリスト・MIYAVIが演じるという色々ツッコミどころのある采配ではあったけれど、最終的に残る彼の印象は演技力の拙さでも声の小ささでもなく、「鼻の穴」です。いや、映画全体を通して、見終わった後に残る印象そのものが「鼻の穴」であると言っても過言ではないし、さらに言うなら映画のテーマが「鼻の穴」であるというのは正鵠を射た表現だと思うし、ぶっちゃけタイトルがBLEACH~死神代行編~ではなくMIYAVI~鼻の穴編~だったところでさほどの誤解は与えないでしょう。タイトル変更しても興行収入的に大して変わらないかもしれません。こればかりは観た者にしか伝わらないのかな~、だとしたら絶対に観てほしいのだけど。一晩きちんと寝た後で反芻するに、スクリーンの八割がMIYAVIの鼻の穴に覆われていたシーンを想起できるほどです(体感)。芝居のこととか、発声練習はちゃんとしていたのだろうかとか、そんなことどうでもよくなるくらいのもので、虚(ホロウ)の胸に空いてる孔よりも完全にそっちの穴が重要ごとに思えました。
あれだけのインパクトを残した以上、映画を観た人々によって検索ワード「MIYAVI 鼻の穴」が増えるのは道理ということで、SEO的にもタイトルに入れさせて頂く運びとなったことをご容赦願います。
まとめ
しかし今回筆者がMVPをあげたいのはそんなMIYAVIではなく、色々問題ありなキャスティングと不安の残る演技の中で、一人だけ完璧に原作に寄せた(初期のワイルドで戦闘狂っぽさのある)阿散井恋次を演じてのけた早乙女太一・・・でもありません(ごめん)。いや、彼の演技がアクションも含めて作品の根幹となっていることは間違いないのですが、それにも増して感心してしまったのは一護の父・黒崎一心役の江口洋介。
【🔥BLEACH CHARACTERS】
— 映画『BLEACH』公式 (@bleach_moviejp) 2018年6月24日
👨🏻黒崎一心 (#江口洋介)
/一護の父親
🔸前向きで熱血
妻の真咲を亡くして以来、男手ひとつで子育てに奮闘している。反抗期に突入した子供たちが悩みの種。#映画ブリーチ #BLEACHキャラクター紹介 pic.twitter.com/T1oipFDCBW
映画を観る前は、一緒に観に行った同僚たちともども「全然一心に寄せる気ねー!wwww」みたいなことで騒いでたんですが、今となっては彼がいなかったらこの作品はどこまで方向性を見失って飛んで行ってたのか想像もつきません。まさに凧揚げのタコ糸。現実離れと原作離れを同時に起こしている浮足立った実写化が完全にドラマ性を失わないよう、彼の演技が冷水となって全体をキュッと引き締めてくれているのです。
やっぱ演技って大事!!江口洋介出演作は『ひとつ屋根の下』から見直そうと思った、そんな映画でした。色々書きましたが、やっぱり観に行った映画なので、ちょっとでも興味は持ってもらえたらなと思います。以上です。
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